2006年度 | リースの誕生 |
2007年度 | ガーランドとリース |
2008年度 | 贈るリース |
テーマ |
『いつも生活にリースを』 |
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5月号 |
メイポールリース |
ドイツの5月祭のシンボル「メイポール」には、トップに緑のクランツ(リース)が掲げられ、青と白のリボンがたなびいています。・・・大地を目覚めさせ豊作を願う祭りには、いずれもリボンと緑の花綱で装飾されたポールが、広場の中央にそびえています。 そもそも「ガーランド」が神と人との間にささげ物として存在したように、人は植物を介在して人知の及ばぬ力に畏敬の念を表明してきました。やがて・・・ガーランドが農耕生活の祭りに引き継がれ・・・ これからしばらく、ガーランドの視点からリースをデザインしていきます。有史以来、洋の東西で、人々がガーランドに慰められたように、自然界への慈しみをリースに盛り込むことができれば幸いです。 84ページ |
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7月号 |
古の渦巻きリース |
イタリア・フィレンツェを旅すると、古から続く生活のリースを見ることができます。中でもメディチ家礼拝堂に隣接するサン・ロレンツォ聖堂は古代のリズムや尺度の意識的な復活(ルネッサンス)といわれています。そこには壺から溢れた植物が、葉や実を伴って渦を巻き、左右に広がって祭壇を飾っているのです。・・・ 古代の人々は自然のリズムから植物の持つ生命力の証を見つけました。・・・自然が描くリース・・・ 83ページ |
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9月号 | マチュドニアの花束リース |
その昔、フラワーデザインの主役は葉であり果実でした。植物が食用・薬用として生命をつなぐ大切な存在だったので当然かもしれません。・・・・ 公開講座「木の実で作るフルーツと葉を束ねたガーランドリース」 公開講座 2008年3月新宿朝日カルチャーにて予定 114ページ |
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11月号 |
光のガーランドリース |
十字軍に参加したフランス国王ルイ7世は、アイリスを紋章としました。その3枚の花弁は信仰・英知・勇気を象徴しています。この『ルイの花』は転じて『リー(フランス語でユリ)の花』となりました。・・・国王に代わって王国を統治したサンドニ修道院長シュジェールは、天に向かってそそり立つゴシック聖堂を誕生させました。光は物質を精神的なものに高める存在であるという「光の形而上学」を打ちたて、ステンドグラスの美しい細工が生まれました。・・・・多彩な光で華麗に描かれるステンドグラスは光のガーランドとなって・・・ 今回のリースは、樹脂液を流して制作しました。さらにユリを文様化させたパターンをガーランドにつないでリースにはめています。窓辺にかけて光をリースの中に集めると光の炎がガーランドとなって揺らめきます。新しい感覚のリースができ上がりました。 116ページ |
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1月号 |
新春の重ね花御所車 |
源氏物語に登場する『御所車』は・・・この車輪は鎌倉時代には『家紋』として形象化され、やがて着物柄として大胆にデザインされていきます。今月は新年を迎えるリースに、縁起の良い御所車を重ねてアレンジしてみました。・・・ガーベラの大車輪もバラの渦とともに真紅の錦を織りなしていきます。松も桜もクレッセント型ガーランドが幾重にも重なり・・・しっかりとした構造で安定感のある『静』と、車の回転にともなう風の『動』が、同時に一つのリースに納まるというバランス。これこそ『永遠に回転する』リースの魅力ではないでしょうか。
77ページ |
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3月号 |
母から子に贈るリース |
つるし雛は「九州柳川の手毬のさげもん」「伊豆稲取の雛のつるし飾り」「山形酒田の傘福」の3大つるし飾りが有名です。場所は変わりイタリア・ミラノのブレラ美術館では「小ろうそくの聖母」と題する・・・ ・・・古代エジプトでは次の世代を結ぶ女性の神に捧げていたといわれています。 母から子へ贈るリースを、チャームのようなガーランドで次の世代へと願いを託してデザインしました。新しい菊をチェーンに挟んで手毬にしています。多種多様な手毬が生まれ、こんな楽しい雛飾りとなりました。 110ページ |
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