「日露国際芸術祭2011」開催レポート

日本精鋭芸術家展
日時:2011年3月31日〜4月9日
会場:サンクトペテルブルク市スモーリヌイ聖堂

「銀杏U」に寄せて

次へ

 「日本精鋭芸術家展」では、本堂の壁面に設けられたパネルに油彩画、水彩画、日本画、書といった平面作品が並び、ゴシック建築の柱の脇に人形、フラワー、アクセサリーなどの立体作品が飾られました。日本人アーティストたちが手がけた約120点の珠玉の作品は、大きな窓から射し込む光のなかで、荘厳な空気に包まれながら堂内を彩っていました。
 会期中毎日、開館から閉館まで、観光客だけでなく地元の人や遠足で訪れた学生たちが大勢訪れて作品を鑑賞していました。メモを執るアーティスト志望の若者や、作品の前で記念写真を撮る家族連れ、小さな声でお互いの感想を語り合う恋人たちなど、訪れた人々は思い思いの形で日本の芸術の魅力に出会い、充実した時間を過ごしていました。

「日露芸術祭2011 開催レポート」より

3月31日から4月9日まで開催された「日本精鋭芸術家展」の会場となったのは、ネヴァ川が大きく蛇行する岸辺に建つスモーリヌイ聖堂。ピョートルT世の娘・エリザヴェータが貴族の令嬢たちの教育機関として設立した修道院に起源を持ち、19世紀にはエカテリーナ2世がロシアで最初の女学校を創設するなど、ロシアにおける女性教育の中心地として知られています。エルミタージュ美術館やエカテリーナ宮殿などを手がけたイタリア人建築家ラストレッリの手による、威厳を保ちつつも上品な雰囲気を醸し出す本堂は音の響きがよいことから、現在は主にコンサートホールやイベント会場として使われています。
 ロシアバロック建築の傑作でもある水色の尖塔が目を引く左右対称の外観は、サンクトペテルブルクで一番美しいという人もいるほど、今も多くの市民や観光客に愛されています。堂内には建設当時の面影を残すロシア正教の教会があり、ミサが行われる日曜日には多くの人々が祈りを捧げていました。

「日露芸術祭2011 開催レポート」より

作者が生み出した作品の葉は、扇のような形であり、強い装飾感を作品に与え、観る者を優雅な気持ちにさせてくれます。秋になると私たちにきれいな姿を見せてくれる銀杏の葉が、本物以上に本物らしく表現されています。ロシアの植物園には「幸せの木」という木があり、その葉を乾かして保存すると幸せになれると言われています。作品の葉も、もしかするとそんな「幸せの木」の一部なのかもしれません。

エルミタージュ美術館学芸員
イリヤ・アンドレツォフ

 

銀杏のほか、季節の花々や果実などがバランスよく盛り込まれ、濃い影を作る夏の銀杏の葉、黄金色に染まる秋の銀杏葉と移ろう季節が表現されています。水を表現する伝統的な渦巻き紋に、穏やかな「銀杏の葉の舞」が見えるようです。一面が黄金色に色づき、喜びに溢れた実りの秋を感じる作品です。これからも自然や四季の彩りをモチーフにした素晴らしい作品を期待しています。

マリ・エル共和国立美術館ナショナル・ギャラリー館長
ボルナショワ・イレーナ

フラワーデザイングループ
 リビエール

住所:180−0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1−11−30ダイアパレス吉祥寺
413(事務所)      414(教室)
п@ :0422−22−1773   Fax    :0422−20−5273
メール:riviere@world.email.ne.jp