作者が生み出した作品の葉は、扇のような形であり、強い装飾感を作品に与え、観る者を優雅な気持ちにさせてくれます。秋になると私たちにきれいな姿を見せてくれる銀杏の葉が、本物以上に本物らしく表現されています。ロシアの植物園には「幸せの木」という木があり、その葉を乾かして保存すると幸せになれると言われています。作品の葉も、もしかするとそんな「幸せの木」の一部なのかもしれません。
エルミタージュ美術館学芸員
イリヤ・アンドレツォフ
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銀杏のほか、季節の花々や果実などがバランスよく盛り込まれ、濃い影を作る夏の銀杏の葉、黄金色に染まる秋の銀杏葉と移ろう季節が表現されています。水を表現する伝統的な渦巻き紋に、穏やかな「銀杏の葉の舞」が見えるようです。一面が黄金色に色づき、喜びに溢れた実りの秋を感じる作品です。これからも自然や四季の彩りをモチーフにした素晴らしい作品を期待しています。
マリ・エル共和国立美術館ナショナル・ギャラリー館長
ボルナショワ・イレーナ
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