「日露国際芸術祭2011」開催レポート

日本芸術秀作展
日時:2011年4月21日〜6月17日
会場:マリ・エル共和国立文化施設 共和国立美術館ナショナルギャラリー

「銀杏U」に寄せて

 町の中心にある政府官邸や国会議事堂の横に建つ共和国立美術館ナショナル・ギャラリーで、4月21日〜6月17日まで、58日もの間「日本芸術秀作展」は開催されました。2007年に建てられた新しいギャラリーはモスクワやサンクトペテルブルクなどの大都市に劣らない設備を持ち、照明や空調設備が整えられた館内には、市内はもとより郊外からも訪れる人が目立ち、ヨシュカル・オラの観光スポットのひとつとして多くの人に親しまれています。
 若い人たちにアートを鑑賞する感覚を養ってほしいというボルナシェワ・イレーナ館長の思いが実り、本展は学生の課外活動の場としても利用されました。ギャラリーには専門のガイド部が設けられ、訪れる学生たちに日本の芸術の魅力をわかりやすく解説するほか、会場では、折り紙や日本の映像・音楽を楽しむこともでき、芸術を通した日本とマリ・エル共和国の国際交流の場として活用されました。マリ・エルの民族舞踏が披露された、開催初日のオープニングパーティーに集まった200人を超える人々は、初めて触れる日本の芸術に感嘆の声を上げていました。

「日露芸術祭2011 開催レポート」より

モスクワより東に約1600キロメートルの距離に位置し、ロシア連邦を構成する共和国のひとつであるマリ・エル共和国の首都ヨシュカル・オラ。今回、共和国文化省の招待企画として「日本芸術秀作展」が開催され、サンクトペテルブルクでの展示を終えた日本の芸術作品が一堂に会し展示されました。
 マリ族の言葉で「赤い町」という意味を持ち、主要な通りにはポプラ並木が続く緑豊かな町には、政府官邸、国会議事堂、市政府などの官公庁、教会、ショッピングセンター、マーケット、スタジアムなどがコンパクトに集まっており、トロリーバスの走る道路に沿って、旧ソビエト時代に建てられたアパートや劇場などが並んでいます。
 町はずれには湖があり、夏はビーチで泳いだり、遊園地などで遊ぶことができますが、長い冬から春の間は解け始めた湖の氷に穴を開け、釣りをする人々の姿が見られました。

「日露芸術祭2011 開催レポート」より

作者が生み出した作品の葉は、扇のような形であり、強い装飾感を作品に与え、観る者を優雅な気持ちにさせてくれます。秋になると私たちにきれいな姿を見せてくれる銀杏の葉が、本物以上に本物らしく表現されています。ロシアの植物園には「幸せの木」という木があり、その葉を乾かして保存すると幸せになれると言われています。作品の葉も、もしかするとそんな「幸せの木」の一部なのかもしれません。

エルミタージュ美術館学芸員
イリヤ・アンドレツォフ

 

銀杏のほか、季節の花々や果実などがバランスよく盛り込まれ、濃い影を作る夏の銀杏の葉、黄金色に染まる秋の銀杏葉と移ろう季節が表現されています。水を表現する伝統的な渦巻き紋に、穏やかな「銀杏の葉の舞」が見えるようです。一面が黄金色に色づき、喜びに溢れた実りの秋を感じる作品です。これからも自然や四季の彩りをモチーフにした素晴らしい作品を期待しています。

マリ・エル共和国立美術館ナショナル・ギャラリー館長
ボルナショワ・イレーナ

フラワーデザイングループ
 リビエール

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