絨毯に織込まれた少女の絵柄から、白百合と黒百合をモチーフに「善と悪」を表現。善悪の判断ができる力を備えた「少女の瞳」は、正しく人生を歩んでいける「無限の瞳」であってほしいという母の願いを作品に織込んでいます。
繊細なシェーネアルバイテンが大変力強く、パワフルな作品に仕上がっています。トップから光を取り込めるように工夫したオリジナルな額、周囲に溢れる小花たち、そして自然素材ツノゴマの装飾と、作品を作りこむ作者の姿勢そのものに熱い情熱を感じます。
時を経て再びこの絵柄を作品化するとしたら、今度はどのように変化するのでしょう。白百合が黒百合を凌駕し、両者がクロスするスペースがたっぷりと取られた作品であって欲しいと願わずにはいられません。 |
作者のレンゲに寄せる想い、それは遠く過ぎ去ったものへの郷愁(ノスタルジー)、そして未来への期待(ホープ)。 作品創作にあたって振返った人生は、永久(とわ)の環(リース)から始まり、時にハートとなって、時に西洋アラベスクラインとなって、家族の幸せのシンボル:「菱形」の上をゆっくりとそしてキラキラと流れていきます。
一面に広がるレンゲ畑は今では見られなくなったようですが、作者の心奥深くにしっかりと残されているようです。レンゲに託した家族の幸せを願う気持ちがエレガントに表現されている作品です。 また、菱型の鏡面効果がイリュージョン(幻想的)な効果を高め、見る角度によって作品がいろいろに変化する魅力があります。
時が流れ人生が深まるとともに、作品も小品から大作となることでしょうが、レンゲへの想いは変わることなく、画面いっぱいのレンゲ畑を残して欲しいと思います。
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