2008年度制作テーマ
「永遠のデザイン」
今年度の制作テーマは「永遠のデザイン」と決まりました。
講師資格の審査作品、研究会の課題、フローリスト連載作品など、一年かけてこのテーマを追求していきます。奇しくもリースの本出版依頼が舞い込んだのも同じ時期。リビエールにとって「リース」は創設以来ずっと追いかけてきた「永遠のデザイン」だったのです。
実はリース自体が人類にとっての夢「永遠」を表現しています。一見閉ざされたかのように見えるリースですが、制作してみると理解できるように、決して終わりのない無限のスタイルなのです。命の永遠性を望む人類は、ケルトの螺旋模様同様リースにもその普遍性を見出していました。
ギリシアの月桂冠、神に捧げたガーランド、クリスマスリースにハワイに残る花のレイなど、時代によって様々にアレンジされるパターンですが、何時の時代にもその思想を反映し、人々に支持されて今日に至ったものばかりです。
「神は美に宿る」として教会が表現してきた美術、スポンサーとして芸術を擁護してきた王たち、やがて市民の時代には冠婚葬祭に代表される暮らしと密接に結びついて伝承されてきました。
まるで自然界のリズムが人々を癒すように、自然界の秩序を誰もが心地よいと感じているように、自然との対話から生まれる作品には安らぎがあるはず。後は永遠のデザインとして普遍性を盛り込み、作品を生長させるのが私達の使命ではないでしょうか?
片山理恵子
|