フィリッポ・リッピの金銀細工
・・・24日はフィレンツェ守護聖人の祭日『サン・ジョバンニ(聖ヨハネ)の日』。この祝日はアルノ川にかかるポンテベッキオの花火で締めくくられた。それは繊細なベールのように美しく厳かな花火だった。私たちには『トスカーナの金銀細工』に相応しい花火のように思えた。ちょうど、この日ウフィッツ美術館でフィリッポ・リッピの作品『聖母と天使たち』そして『カマルドリの礼拝』を見ていたので、その花火がまるで彼の作品のような透明感のある水のような繊細さを思い出さずにはいられなかった。花火があがるたびに「フィリッポ・リッピ!!」と声をあげたくなるほど。
トスカーナの金工細工は透けるような繊細さをもって表現している。それはフィリッポ・リッピの世界のように・・・恋する画家の愛情あふれる聖母子に見られる優雅さと繊細さ。それはリビエールのシェーネアルバイテンの世界にも共通するもののようにも思えた。
フィリッポ・リッピの作品・ヴェロッキオの作品・レオナルド・ダ・ヴィンチの作品。洗礼の水とフィリッポ・リッピの作品の光のしずくが見事に同じ構図で描かれている。光と洗礼の水の同一化。光と水の輝きを同一視するこの時代の描き方に多いに刺激された研修旅行でした。
研修旅行に参加して 抜粋 |