自然の恵みを求めて
オリンピックの年、2020年が始動し始めました。念頭にあたって今年の課題「自然の恵み」を考えてみました。ここ数年「自然の脅威」は凄まじく、被災は決して他人事ではなくなりました。人類は知恵を駆使してこの脅威を「多いなる恵み」に変えてきましたが、その歴史さえ忘れてしまいそうです。
貴方にとって「自然の恵み」は何ですか? フラワーデザイン界に属する私たちでしたら、植物の持つ心理的効果や生理的効果から「心豊かな暮らし」に思いを寄せることでしょう。人の美意識を研ぎ澄まして作る作品と、 原点から発する行為そのものとのハーモニーが、本物の歓びをもたらしてくれるのではないでしょうか。
洋の美を学び、技術を用いて自分に必要な美を創る、そして用いる上でまた美意識を向上させる、これらの「ようの美」は自然の秘められたエネルギーです。対峙する人次第で、その恵みはより豊かで心地好い結果を生むと信じています。失敗を恐れず、次へのステップにつなげる繰返しの行為、それほど自然には無限の力があります。
私たちも原点に立ち戻って、コピーではない自分の目と技で創作を続けて参りましょう。守るべきは地球規模の自然です。謙虚に、多少の不便さを覚悟して、心に備わった「美」の基準をあげることができれば、豊かな自然の恵みを感じられることでしょう。自然の恵みとはこうした創作活動で培っていくものと思われます。
片山理恵子
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