美の原動力

『異国憧憬』

リビエールが西洋の異国趣味として「英国貴族のシノワズリー」に焦点をあてたのは、今から3年前の事でした。そこでは彼らが東洋に「キャセイ」という理想郷を求めていた事を知りました。今回(財)日本手芸作家連合会主催、夏期研修会のテーマがやはり「異国趣味」。 異国情緒に触発された魅力的な作品見学と日本人が正倉院に保存してきた美しい宝物、その文化史を聴講しました。
 創作する者にとり異国への憧憬は、想像を大きく膨らませデザインする心の快適な刺激となるようです。その結果生まれてくる作品は、原作から遊離し自由で独創的なスタイルで私たちを魅了します。どうやらこの「エキゾチシズム」を感じる柔軟な感受性がデザイナーにはまず必要のようです。新しいことを知ってわくわくするこの感動が、素材と確かな技術を伴って「作品」を生み出す原動力となるのです。
 リビエールのスタイルも然り、「ヨーロッパ」への憧憬が数々の作品を生み出してきました。フラワーデザインの技術で創作してきたアルプススタイル、クロスターアルバイテンから発したシェーネアルバイテン、最近ではフローリストの連載で提案している「リース」も同様です。ここではドライフラワーも生花もそしてシェーネアルバイテンでさえ、一つの素材または技術として新しい世界に融合していきます。
 言葉では表現できない世界をケルト風に、或いはアールヌーボー風に植物でデザインし紙面で発表すると、直ちにその反響が返ってきます。作品の世界を共有することができる人が大勢居るのは何とも心強いものです。
 完璧には理解しきれるものではない異国を歴史や経験を通して解釈し、その中から心の琴線に触れるものを美しく表現したい、その為の技を磨いて生きていきたい・・・このような「知の旅路」を通して花と共に仲間との相乗効果がのぞめる場をリビエールは、これからも提供していくつもりです。

片山理恵子先生(2006年6月)

フラワーデザイングループ
 リビエール

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