作品を創造するにあたって

ダビデの目

今期は内面心理と芸術について語りましょう。
さて、「前ラファエロ派」というのをご存知ですか?ヨーロッパの歴史を語るのにイタリアルネッサンスは外せません。そしてラファエロの死によってイタリアルネッサンスは終わるといわれています。彼はシエナ大聖堂にグロテスクのフレスコ画を描いています。古代ローマの洞窟(グロッタ)から発掘された奇怪なデザインを「グロテスク」と呼び、彼はそれを芸術的にデザインし様々な絵画に使用しているのです。「このラファエロ以前の芸術に戻ろう運動」が「前ラファエロ派」。さてこのグロテスクがなぜ芸術に必要とされるのかお分かりでしょうか?
人間の内面心理を表しているのがグロテスクといわれています。私たちが花のデザインを始めるときテクニックや技だけで作品を作っても素晴らしい作品は生まれません。それぞれの個人の内面から生まれる心を作品に盛り込むことが必要です。分かっていてもつい見た目のよさや流行でのみ作品を作るとしたら作品を生み出す楽しみを半分失っているのではないでしょうか?
ところでミケランジェロのダビデ像をご存知ですよね。なぜあの彫像がすばらしいのか?あの男性の目は一方では逞しく、又一方では悲しそうな目に見えるというのです。私たちが持つ様々な内面を芸術の域まで昇華させることができたらそれがデザインする楽しみというもの。
卒業作品やコンクール作品に是非この「ダビデの目」や「グロテスクの心」を忘れずに!

木嶋真理子先生(2005年6月)

フラワーデザイングループ
 リビエール

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